ひととまちに優しいバス会社の取組み 阪急バス(株)

ひととまちに優しいバス会社の取組み

阪急バス(株)

2023.04.13

団体概要

 阪急バスは、昭和2年に設立した豊中市内に本社を置くバス会社で、「ひととまちに優しい阪急バス」を理念に、京阪神の3府県で路線バスを運行しています。
 従業員数は1,912人(2022年7月現在)で、バス運行事業だけでなく不動産賃貸事業やモータープールの経営も行っています。
 阪急阪神ホールディングス(株)のグループ会社として、「阪急阪神 未来のゆめ・まちプロジェクト」に参加し、「未来にわたり住みたいまち」をめざした社会貢献活動を行っています。また、とよなか市民環境会議の構成団体としては「第2次豊中アジェンダ21」(2011年策定)、「第3次豊中アジェンダ21」(2018年策定)の策定委員も担当しました。

環境の取組み

 阪急バスでは、1999年に企業理念の制定と同時に環境委員会を設置し、定例的に活動の報告、発表を行っています。環境委員会は社長を委員長とし、常勤役員、各部長及び関係会社の社長で構成されており、会社全体で環境問題に取組んでおられます。
 国が温室効果ガス排出量を2013年比で2030年に46%削減を打ち出したことから、環境委員会では社内で46%削減をどのように実現するかが議論されています。これは、一般的な事業所と異なり、バスの運行時に燃料となる軽油から排出される温室効果ガスが社内全体の97~98%を占めるためです。例えば、高効率な車両への更新や、電気や水素などのエネルギーへシフトするといったことも考えられるようですが、バスの更新には多大な費用がかかるため、経営と環境の取組みのバランスが求められるとのことです。
 阪急バスは、バス会社としてこれまで率先して環境活動に取組んでこられました。環境保全の取組みを行っている運輸事業者を対象としたグリーン経営認証制度(交通エコロジー・モビリティ財団)では、2005年に近畿の乗合バス事業者としては初めて取得となりました。
 また、2008年からは自社やグループ会社で回収した使用済みてんぷら油(廃食用油)をバイオディーゼル燃料とし、それを100%使用したバスを一部で運行していました。軽油と比べて二酸化炭素を増やさないため、二酸化炭素の削減に直結するだけでなく、地域の環境学習や環境イベントでも環境活動を紹介する機会となっていました(使用可能車両の経年により現在はバイオディーゼル燃料での運行を終了。同燃料を使用した発電機を阪急観光バス㈱大阪営業所で稼働中)。

 最近の新たな取組みとしては、2021年10月から2023年2月まで、関西電力㈱・大阪大学・阪急バスによる最適な充放電システムの構築に向けた産学連携の実証実験として、大阪大学の3つのキャンパスを結ぶ学内連絡バスと千里ニュータウンを循環する路線に大型電気バスを導入しました。電気バスの走行中は大気汚染物質や二酸化炭素を排出せず、充電中も再生可能エネルギー100%の電力を用いることで、関西のバス会社として初の完全ゼロエミッション化を実現しました(完全ゼロエミッションは実験期間で終了しています)。今後も2025年の大阪・関西万博開催を見据え、計画的に電気バスを導入していく予定です。
 その他にも、2021年3月に本社を庄内西町から岡上の町に移転するにあたり、空調設備の換気システム導入や照明のLED化を行い、従来の社屋と比べて1/3以上の電気使用量の削減をしました。

参考:
阪急バス(株)ホームページ https://www.hankyubus.co.jp/
阪急バス(株)ホームページ 環境への取り組み https://www.hankyubus.co.jp/company/approach/eco1.html

伝えたい想い

 同社で環境担当の仲さんから、企業理念である「ひととまちに優しい阪急バス」を実践するため、今後もEVバスをはじめ環境に優しい車両の導入に向けた取組みを進めてまいりますというコメントをいただきました。
 バスの運行を通して、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減を進めることは大変なことですが、これからもバス会社の中で率先して取組みを進めていくことを期待しています。

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