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公民分館協議会の概要とその構成団体の箕輪公民分館の環境にかかる取り組みについて

豊中市公民分館協議会

2023.05.12

団体概要

 豊中市公民分館協議会は、市内全41小学校区に設置されている公民分館全体の事業調整等を行う協議機関で、具体的な活動は41の公民分館で行われています。
 公民分館は、昭和24年6月に初めて桜井谷公民分館が設置され、その後、小学校区に1分館を目標に設置され、現在では全41小学校区に設置されている全国的にも貴重な団体です。41の公民分館は、北部・中部・南部・東部の各ブロックに分かれ、それぞれ地域性、独自性、公共性を大切にしながら主体的に運営されています。また、公民分館の活動は、コミュニティプラザ、コミュニティルーム、学校(余裕教室)や地域の会館を利用して行われています。
 公民分館は、地域住民の皆さんで構成され、市からの交付金を受け、校区の学校と連携を取りながら、その地域の住民を対象に、地域に根ざした市民の身近な社会教育機関として、教育的、自治的、福祉的活動の中核となっています。多くの公民分館では、文化祭・体育祭・講座などの事業を実施しており、環境活動に取り組んでいる公民分館もあります。
 とよなか市民環境会議では、当初から幹事として関わっておられ、また、2022年度には箕輪公民分館がとよなかエコ市民賞を受賞されました。

箕輪公民分館の環境の取組み

 今回は、41の公民分館の中でも積極的に環境活動を行っておられる箕輪公民分館を紹介します。
 箕輪公民分館では、全国学校・園庭ビオトープコンクール2021で日本生態系協会賞を受賞した「みのわビオトープ」事業をはじめ、「すくすく農園」・「アクアユートピア」・「空と緑のミュージアム」など多様な環境活動を行っています。

 「みのわビオトープ」は、箕輪小学校中庭にある「ハート池」を改修し千里川や猪名川流域の多様な水生動物や抽水性植物が生息できるように、水の循環を考え、溶存酸素が高くなるように滝を利用し、千里川の流れを再現。また陸地を造り、流れのゆるい場所を確保。流水と止水エリアや浅瀬、水陸移行帯をつくる事等を意識し、多様な動植物が生息できるように工夫しています。また、本来の生息環境に近づけるために、希少種の保護を目的とした種以外は猪名川流域のもの、身近に生息しているものに限定しています。ハート池ではヘイケボタルの飼育にも取り組んでおり、ホタルを身近に感じてもらえるよう勉強会をし、観察会も行っています。この活動は、近代化が進む中でも、昔の地域の生活・憩い・遊び場だった川や田園風景等の四季折々の自然を、毎日通う学校にいながら、子ども達が身近に観察や体験・体感ができ、授業でも活用されるといった地域ぐるみでの環境づくりをめざしています。

みのわビオトープ

 「すくすく農園」としては、従前学校外で実施していた農園事業を2018年から学校内で再開し、5年生による米作りや各学年での野菜作りが行われています。米作りでは種まきに始まり、田植え、稲刈り、脱穀、わら打・しめ縄づくり、収穫祭と多様な農業体験を行っています。農業体験はもちろんですが、田んぼの水生生物や畑に来る昆虫の観察等にも活用しています。また、「すくすく農園だより」を定期的に発行し、これらの活動をより詳しく保護者の皆さんに知ってもらう活動も行っています。

すくすく農園

 過去地域に大きな水害をもたらし、その後ごみが浮遊する川となった千里川の再生をめざし、清掃活動を中心とした取り組みとしてスタートした「アクアユートピア」は2022年で35周年を迎えました。1993年には川におりて水に親しめるように造られた千里川親水公園もでき、親水活動や清掃活動を通じ「自然を大切にする」気持ちの醸成や子ども自らが自然を学び守っていくための教材となっています。これらの活動を通じて世代をつなぐふるさとづくりの一つとして続けています。

アクアユートピア

 「空と緑のミュージアム」としては、1993年から2012年まで行われていた「豊中市民レンゲまつり」を発展的に継承するための事業として、空港周辺緑地の一部をお借りして、今では地域でも貴重となった野原を再生させ、子ども達に心地よい空間をと取り組んでいます。春にはネモフィラ、秋にはコスモスといった植物の観察もちろん、各催し物や近くで飛行機を見てもらうなど、日頃入ることのできないエリアを期間限定で開放し自然に接してもらっています。また、希少なチョウ「シルビアシジミ」の生息できる環境づくりにも着手しています。

空と緑のミュージアム

伝えたい想い

 箕輪公民分館長の 福本雅一さんによると、箕輪では「世代をつなぐふるさとづくり」を大切に、「すべては子ども達のために」と地域のおとなが環境活動を通じて子どもや学校に関りをもつことで、地域の歴史を知り自然の大切さを学んでいくことを支えていくことが大切だと言われておりました。また、先達から続く活動を継続していくことが何よりも重要であるとも言っておられました。
 箕輪公民分館のように、多様な環境活動を通じて地域の大人と子どもが一緒になって活動できることはとっても素晴らしいことです。やがてその子ども達が大人になり地域を支える立場になってくれる、地域のアイデンティティ形成モデルや他の公民分館事業の環境活動モデルとなることを期待しています。

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