事業者の課題解決につながる支援活動 豊中商工会議所

事業者の課題解決につながる支援活動

豊中商工会議所

2022.08.1

団体概要

 豊中商工会議所は会員事業者への経営支援等を通じて、商工業の総合的な改善発達を図る地域経済団体です。1949年に設立され、2022年4月1日現在、事務局職員は13人、会員事業所は約2,700社です。豊中市内の事業所は従業員20人以下が90%以上であり、これら小規模事業者に向けた様々な支援メニュー(健康診断や退職金共済制度など多岐にわたる)を中心に提供しています。
 1995年頃より、全国に先駆けて事業者向けのIT活用支援(当時はインターネット活用支援)をスタートさせ、現在は「ITコンシェルジュ」という名称で、会員事業者等から様々なIT関連の相談に応じるなどの支援を行っています。
 事業者の意見を市政に伝えるべく、環境関連ではとよなか市民環境会議のほか、豊中市環境審議会や豊中市廃棄物減量等推進審議会等に参画しています。

環境の取組み

環境への取組みは、一事業所(事務局)としての取組みと、事業者支援の両方があります。
 事業所として取組みでは、事務局において出てくる紙ごみのリサイクルには力を入れているそうです。事務局内にリサイクルボックスを置き、週1回、再生業者に引き渡しをしています。また、照明のLED化も少しずつ進めている他、クールビズ等にも取り組んでいます。
 事業者向けの取組支援施策として、1つは機密書類リサイクル事業があります。NPO法人とよなか市民環境会議アジェンダ21と共同で年2回開催し、毎回40~60社ほど(NPO側の参加団体を含む)が参加し、10~15トンの機密書類をリサイクルしています。参加事業者は指定の日時に豊中市伊丹市クリーンランドに機密書類を持ち込み、計量・積み替えを行います。集まった機密書類は、西日本衛材(株)(兵庫県竜野市)へ運搬し、トイレットペーパーへとリサイクルされます。参加事業者には計量証明書と溶解証明書を発行することで、ISO14001などの環境マネジメントシステムに取り組む事業所にも活用してもらっています。また、民間のサービスと比べて安価であること、契約行為が不要であること、ダンボール1箱から参加できること、開催には行政も関わっていることなどにより、取組みが定着してきています。
 もう1つは不要パソコンの回収およびリサイクルした中古パソコンレンタル・販売事業です。最近ではパソコンの使用期間が短くなっており、古いパソコンの回収とそれに伴うデータの廃棄が重要になってきます。そこで、パソコンの処理業者と連携し、データを確実に廃棄したうえで、格安で処分する取組みを新たに始めました。廃棄したパソコンに対しては、廃棄証明書を発行することで、事業者の適正処理を証明することにつながっています。さらに、官公庁などでリース契約が終了したパソコンをバージョンアップし、リサイクルパソコンとして格安で販売・レンタルを始めました。パソコンを格安で揃えることができるため、コロナ禍で事業所がテレワークを導入する際などに活用することができます。パソコンを再利用して、事業所経営をサポートするという観点から、SDGsの取組みとしてもPRされています。

参考:
豊中商工会議所ホームページ https://www.ooaana.or.jp/
豊中商工会議所 ITコンシェルジュ ホームページ https://www.ooaana.or.jp/bas/itc/index.html

伝えたい想い

 豊中商工会議所の事務局長の吉田哲平さんによると、コロナ禍で経営が大変な事業者が増加しており、同会議所へもそうした方の相談が増えているそうです。「寄り添って、伴走して、一緒に課題解決していくように努めることが大切である」とのことで、「何事も本気で関わり、世の中がしんどい時こそ役に立つ組織でありたい」という想いで支援をされているそうです。
 会議所の取組みが事業者の手助けとなり、事業者同士のつながりを広げることが、環境活動の広がりにもつながっていきます。会議所の取組みがさらに広がることを願っています。

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